
前の記事では、産後は身体と神経が“警戒モード”になりやすく、「休みたいのに休まらない」状態が起こりやすいことをお話ししました。
だからこそ産後に必要なのは、「もっと頑張ること」ではなく、“身体が安心できる時間を少しずつ増やしていくこと”です。
では実際に、どうやって“安心できる身体”を取り戻していけばいいのでしょうか。
その入り口のひとつになるのが、「呼吸」です。
妊娠・出産で、呼吸も変化している
呼吸は、
- 横隔膜
- 肋骨
- お腹
- 骨盤底筋
- 自律神経
など、身体のさまざまな場所と繋がっています。
妊娠中は、お腹が大きくなることで、
- 呼吸が浅くなる
- 肋骨が広がる
- お腹の感覚が薄くなる
- 力みやすくなる
など、身体の使い方そのものが少しずつ変化していきます。
その状態のまま産後を迎えるため、「自分の身体なのに、うまく力が抜けない」ような感覚になることもあります。
だから呼吸を感じることは、単に“息をする”ことではなく、“今の自分の身体の状態を知ること”にも繋がっていきます。
さらに呼吸は、自律神経や、横隔膜・骨盤底筋群など身体を支える機能とも深く関わっています。
産後に必要なのは、「鍛えること」より「緩めること」
出産後、思った以上に体重は減らないし、体形も「あれ?まだ誰かおなかの中にいるのかな?」と錯覚するほど、産む前とほとんど変わりません。
そのため産後は、
「早く戻さなきゃ」「運動しなきゃ」
と焦る気持ちも湧きやすい時期でもあります。
けれど、妊娠・出産は命がけで身体も大きなダメージを負います。
全治数か月ともいわれるガタガタな状態の身体に対して、いきなり一般的なトレーニングを頑張ることは、身体への負担がとても大きく、あまりお勧めはできません。
なぜなら産後の身体は、
- 関節をつなぐ靭帯は緩んでいる
- 筋肉は無意識で緊張し続けている
- 身体感覚がわかりにくい
- 神経が過敏状態になっている
など、“土台”そのものが不安定な状態だからです。
だからこそ、まず必要なのは、
「鍛えること」より、“緩めること”なのです。
まずは「今の呼吸」を感じてみる
では、実際、「緩める」ために何をしたらいいのでしょうか。
最初におすすめしたいのは【感じること】です。
最近では、産後は呼吸が大切ということが、だんだんと世間に浸透してきている印象があります。
しかし、いきなり呼吸を“正しくやろう”と頑張る必要はありません。(妊娠中から呼吸のトレーニングができていた方は、出産直後からどんどん実践してあげてくださいね♪)
まず大切なのは、「今、自分がどんな呼吸をしているか」に気づくこと。
例えば、
- 呼吸をしたとき、胸は動いているかな?
- 呼吸をしたとき、脇腹は動いているかな?
- 吸いづらさはないかな?
- 息をすると肩も力が入ってないかな?
そんなふうに、“今の状態”を感じてみます。

そしてそのあとに、
胸やお腹をやさしくさすってあげる。
それだけでも、身体や神経が少しずつ緩みやすくなります。
実際に、赤ちゃんが泣いた時、背中をさすってもらうと安心するように、私たちの身体や神経も、“やさしく触れられること”で緊張が緩みやすくなるのです。
身体は、「感覚」で変わっていく
産後は、赤ちゃんのお世話に必死で、自分のことを後回しにし続けやすい時期です。
気づけば、呼吸が浅くなっていたり、身体が力みっぱなしになっていたり、自分の状態すらよくわからなくなっていることもあります。
私たちの身体や神経は、“どんな感覚が入ってくるか”によって反応が変わります。
だからこそ、
呼吸を感じること。
胸やお腹にやさしく触れること。
身体をさすってあげること。
そんな小さな感覚入力によって、緊張し続けていた身体が少しずつ緩み、“安心して過ごせる身体”を取り戻しやすくなっていくのです😊